小児期発達障害、神経疾患の専門病院 瀬川記念小児神経学クリニック

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ごあいさつ

星野恭子理事長

2014年12月14日に瀬川昌也先生がお亡くなりになり、あっという間に9年が経ちました。天国の瀬川先生は「星野さんは頑張っているけどまだまだですね」と仰っている声が聞こえます。この9年間、あっという間で振り返ることもできませんでした。特にコロナ感染拡大による3年間は皆様と同じでございますが、クリニックも大変困難な日々でございました。

2023年12月2日に、瀬川小児病院120周年、瀬川小児神経学クリニック50周年・瀬川病発見50年を迎えられたことを感謝し、やっとこの9年を振り返ることが出来ました。
大きな出来事としては、2016年、瀬川家・昌平不動産と相談の上、クリニックの敷地を半分とし改装をいたしました。壁紙がきれいになり、以前よりは明るく感じるのではないでしょうか。

2017年10月、クリニックを法人化し、クリニック名が瀬川記念小児神経学クリニックと変更しました。これにより「瀬川」の名前が永遠に残るようになりました。屋号である「昌仁醫修会(しょうじんいしゅうかい)」は、「昌」は瀬川家に代々継ぐ御名前より、「仁は」瀬川昌也先生の御位牌より、「醫」は瀬川家の医家としての歴史を表し、「修」は医学を学び続ける私達の意思を表しております。
新しい仲間も増え、患者様も多くなり、テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多くなりました。

2017年オンライン診療導入、2021年、電子カルテを導入、長くクリニックに通院されている患者様は、クリニックの変化に戸惑われているかも知れません。実は、当時は、東邦大学小児科名誉教授 佐地勉先生(2017年ご逝去)にお願いをしておりました。突然の訃報に私達も大変辛く悲しく思っておりました。そんな中、佐地勉先生の奥様(信子様)より、書を贈って頂きました。
なんと美しくなんと凛とした書の力、その佇まいに心を打たれ、今も私の部屋に飾っております。
 
瀬川昌也先生が私達に残してくださった多くの業績を後世に残すのも当院の使命です。2021年、瀬川小児神経研究を設立し、瀬川小児神経学クリニックのデータを保管、管理、デジタル化を進めております。特に、患者様の診察時のビデオは、書面に書諾を得たビデオのアーカイブを作成中です。クリニック当初の診察風景や瀬川病の患者様の症状、レット症候群や稀な難病のビデオもあり、後世の小児神経科医が学べる環境を残しております。

この9年間で、多くのご専門の先生方が専門外来をされるようになりました。
瀬川病・ジストニア外来(毎週火曜日、または水曜日、林雅晴先生、星野)、不随意運動・てんかん外来(毎週火曜日 木村一恵先生)、レット症候群外来(月1回火曜日 星野)、成人トウレット症・脳深部刺激施行患者外来(月1回土曜日 星野)、精神・心の外来(隔週 月・木曜日 平野嘉子先生)

月に1回の専門外来として、てんかん・遺伝外来(加藤光広先生 昭和大学小児科教授)重症筋無力症専門外来(石垣景子先生 東京女子医大小児科講師)、ダウン症外来を行っております。
検査は 引き続き脳波検査等は行っておりますが、不随意運動・ジストニアには表面筋電図検査(林雅晴先生)、衝動性眼球運動検査(福田秀樹先生)、Gating SEP(木村一恵先生)は日本でも当院しか出来ない貴重な検査もあり、より専門的な評価を行っております。
心理学的検査は、 WISC-Ⅴ、WAIS-Ⅳ、田中ビネー、新版K式検査以外に、視覚認知機能検査(本多和子先生)、学習障害の検査STRAW(岡田真由子先生)を検査しております。

リハビリは、言語療法士による言語リハビリ、吃音指導。自閉症児の応用行動分析によるABA(藤坂龍二先生)、チックについては、日本CBIT協会の木田哲郎先生による包括的行動的介入(CBIT)を行っています。
また、現在、東大薬理学教室上田研と、リストバンドによる睡眠リズム解析を行い、上田先生の研究に協力中です。

最後になりますが、2019年に帰天されました東邦大学小児科名誉教授 佐地 勉先生の奥様より御進呈頂きました「書」をご紹介したいと思います。瀬川昌也先生を尊敬され、昌巳先生(御長男 2008年ご逝去)、私を東邦大学時代にご指導をくださった佐地教授は、当院を本当にご指導ご支援くださいました。佐地教授が亡くなられた後、書道家の奥様より、この書を頂いた時に、凛とした静かで強い書の力を頂きました。

まだまだ至らない私達ですが、どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。


令和6年1月
医療法人社団 昌仁醫修会 瀬川記念小児神経学クリニック
理事長 星野恭子