小児期発達障害、神経疾患の専門病院 瀬川記念小児神経学クリニック

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神経系疾患と原因について

神経系疾患と原因について

セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン神経(アミン系神経)

脳というのは、脳の幹にあたる「脳幹」、後ろについている「小脳」、その上位にある「基底核」、さらに上位にある一般的に「脳」と言われている「大脳」に分かれています。特に「脳幹」の発達は、生まれてから発達する基盤となる働きを持っていると考えています。
脳幹の働きは、特に脳幹背側にある神経系は、モノアミン神経の中の、セロトニン神経、ノルアドレナリン神経系があります。それぞれ、脳幹の縫線核、青斑核というところに位置しており、大脳皮質全体に広がり、大脳の機能発達に重要な役割を示しています。また、大脳基底核から前頭葉に投射するドパミン神経系の発達も重要です。

神経の病気や発達障害の治療する薬は、このモノアミン神経を増加させたり阻害したりするは薬物が多いです。したがって、このモノアミン神経の発達を知ることは、神経疾患や発達の病気の治療をすることで大変重要なことです。すなわち精神の問題や知能の障害を未然に防ぐ、もしくは軽くすることも可能となります。そして、それぞれ役割を知っておけば、薬を使わずにこれらの神経を如何にあげることが出来るか、毎日の生活の工夫や努力も出来ると思います。また、薬を処方された時にも、医師ときちんと話し合うことが出来ます。

瀬川先生は、『神経系の発達に注目、とくに脳の発達に重要な役割を持つ、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン等アミン系神経系の発達過程を直接表す、睡眠要素、はいはいと歩行パターン及び筋緊張の月・年齢による推移に注目し、診察で得た結果と基礎医学的研究で得られた文献上の事実を対比させ、これらの神経系が生まれてからいかなる神経系を特定の月・年齢で発達させるかをほぼ明らかにしました』と述べられました。

脳幹セロトニン、ノルアドレナリン神経の大きな役割は、睡眠覚醒リズム、昼間しっかり覚醒することでその活動は上がり、ノンレム睡眠、レム睡眠のコントロールをすること。また、姿勢を伸ばし、手を振ってよく歩くことでも活性されます。セロトニン神経は、子ども達の脳の神経を育てる(シナプスをつなげる)大切な神経です。そして成長に従い、気持ちのコントロールの役割を担っています。セロトニンが正常である、ということは、気持ちも落ち着き、平常心を保てるということになります。つまり、セロトニンが足りない状態が続けば、発達過程の子どもでは、脳の発達(知能の発達)や運動姿勢の発達に影響が出てくることが考えられ、成人であればうつ状態や強迫性障害、不安障害の原因にもなります。ノルアドレナリン神経も発達にはとても大切な神経で、集中力、注意力、記憶力に関連します。交感神経の働きと連動するので、心臓がドキドキする、汗をかくなど、身体の変化にも関連します。ノルアドレナリン神経が不安定になると、パニックや不安発作に繋がりと考えられています。
このように、脳幹背側にあるモノアミン神経(セロトニン、ノルアドレナリン神経)は、子ども達の運動発達、姿勢、睡眠覚醒リズム、知能の発達、情緒の発達に大変重要な役割を持っています。

ドパミン神経は、中脳と言う脳幹の一部と大脳基底核に多く存在し、前頭葉に広く投射しています。ドパミン神経の役割は大きくわけて2つあり、大脳基底核における筋緊張の制御・運動に関する役割と、前頭葉における知能や精神や情緒の役割があります。瀬川昌也先生が発見された「瀬川病」は前者の大脳基底核の働きに関連する疾患です。このドパミン神経の発達は、10歳台までに急速に発達し劇的に変化することから、小児の神経疾患、発達障害の診療にとって最も大切な神経の一つと言えます。

そのほか、てんかん発作やその他の神経症状に深く関連するグルタミン酸やGABA等、多くの神経系が小児の神経の疾患や発達に関与しますが、私達は、このモノアミン神経の働きが、子ども達の発達にとって基本となる神経であると考え、その考えに基づき診療をしています。そのため、外来にて、子ども達のモノアミン神経の発達や病歴(睡眠リズムや這い這い等)を詳しく問診し、様々な神経学的な診察し、検査を行い、それにあった治療をすすめていきます。