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自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症
はじめに
瀬川昌也先生は、1973年に瀬川小児神経学クリニックを開業されてまもなく、自閉スペクトラム症(自閉症)の病態は、モノアミン神経系の発達障害にある、と推測されました。それは、瀬川病の発見に発しており、瀬川病が、睡眠で回復しドパミン神経の疾患であることから、その謎の解明に終夜ポリグラフ等を行い、睡眠に興味をもたれたことに関連しています。瀬川先生は、自閉症の睡眠リズムが不規則であることに気づき、また是正すると神経症状が改善することから、自閉症の病態として、セロトニン神経系、ノルアドレナリン神経系、ドパミン神経系の発達に障害があると推測しました。それが当クリニックの自閉症の研究の始まりです。
当クリニックでは、瀬川先生が、自閉症の原因は脳の神経の発達に関連すると、丁寧に問診を行い、神経学的診察し、原因を追究されていたことを受け継いでおります。その研究の成果は、昭和58年には厚生労働省研究班 班会議にまとめられております。
その頃からすでに、睡眠覚醒リズムを是正し、昼間の覚醒レベルを上げよく歩くことで、脳幹セロトニン神経障害を改善させ、前頭葉ドパミン神経障害を少量L-ドパ療法で改善させる治療を始めておりました。【参考ウェブサイト:少量L-ドパ療法研究会】
自閉症は、前頭葉を中心とした広範囲な発達の障害で、未だその原因は解明されておりません。しかし、早期に適切な治療、指導、療育を行うことで、改善することが出来ます。
自閉症の症状は、乳児期の睡眠リズムの異常や乳児期後期にはすでにその兆候が見られている場合もあります。乳幼児期でも出来ることが多くありますので、「様子をみる」のではなく、出来るだけ早期に受診され、適切な指導を受けることをおすすめいたします。また、成長とともにこだわりやパニック、睡眠障害、てんかん発作が合併することもありますが、定期的な診察により早期に治療、もしくは予防が出来ます。そのために、脳波+睡眠ポリグラフ検査、神経心理学的検査(発達検査、視覚認知検査等)等を行い、また行動療法、言語療法などのリハビリテーションを併用し、適切な対処を検討いたします。その子どもさんに合わせた治療を行い、社会性、コミュニケーション能力の改善が期待できると思います。学校を卒業し成人してから、しっかりとした社会への貢献が出来ることを目指していきましょう。
- 初発症状
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- 【乳児期】睡眠リズムの障害(生後3-4ヵ月以降に昼夜の区別がついていない、夜中頻回に起きる等)、這い這いをしない、表情が少ない。
- 【1歳頃】言葉の理解が乏しい、指さし、ものまねが少ない、バイバイをしない、視線が合いにくい 睡眠障害。
- 【2歳】視線が合わない、言葉の遅れ、こだわり、パニック、自傷、睡眠障害、集団に入らない。
- 当院で行う検査
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- 染色体等 血液検査
- 脳波+睡眠ポリグラフ検査(脳幹セロトニン神経評価、ドパミン神経評価)
- 発達検査 必要に応じて視覚認知検査
- 当院で行う治療
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- 睡眠リズム指導
- 薬物療法
- 言語療法、行動療法